一般外科
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- 一般外科|当院の手術や内視鏡検査について
手術について
手術は完全に無菌的に行います。動物には毛刈りを行い、人間の術式と同じ術野の消毒を済ませ、無菌のドレープ(手術用覆い布)を掛けます。完全に滅菌した手術着一式を着た術者(院長)と獣医師の第1助手、動物看護士の第2助手、麻酔担当がチームを組んで手術を行います。
鎮痛剤、鎮静剤といった麻酔前処置を行って不安や痛みを除いてから気管チューブを挿管し、人工呼吸機による調節呼吸下で静脈内に点滴を行い、本格的な外科麻酔をイソフルレンのガス麻酔で行います。
手術中は血圧、電子体温計、心電図を麻酔担当が常にモニターし、聴診器を使って心音・肺音に異常がないかを定期的にチェックします。動物の下には手術用のヒーターマットがしかれ、術中の低体温を予防します。これらの電子機器を利用しつつ、麻酔担当は五感をフルに働かせて麻酔が安全に行われるようにしています。
また、術中は3タイプの電気メスを使い、素早く、スムーズな無出血手術を心がけています。
術後はヒーターの入ったICUに入り、手術当日と翌日は鎮痛剤を使用して痛みを除いてあげることによって回復を早めるようにしています。術後48時間は体重、体温と全身の状態を定期的にチェックし、手術の縫合部に異常がないかを調べます。
食欲、元気が出て状態が安定していれば無事、退院です。
尚、高度な外科手術、白内障・緑内障手術、癌の重症例については大学病院(専門医)への紹介(セカンドオピニオン)を行い協力して治療を行っています。
一般外科では避妊・去勢、抜歯・スケーリング、体表腫瘤切除、消化管外科、泌尿器外科など幅広く行っています。手術の目的を明確にした上で十分な術前検査としっかりとした鎮痛・モニタリングで、安全に手術を行えるように配慮しています。
また、内視鏡検査の技術も向上させています。
完治の難しい症例やより高度な検査・治療が必要となる症例(放射線治療、CT、MRIなど)は二次診療施設などへの紹介も行っています。
手術実績
一般外科
- 精巣摘出術
- 子宮卵巣全摘出
- 帝王切開術
- 潜在精巣摘出術
- 子宮蓄膿症
- 会陰尿道瘻形成術
- 膀胱切開術
- 尿管結石摘出術
- 尿管ステント設置術
- 臍ヘルニア整復術
- 鼠径ヘルニア整復術
- 会陰ヘルニア整復術
- 横隔膜ヘルニア整復術
- 腹壁ヘルニア整復術
- 胆嚢摘出術
- 脾臓摘出術
- 腎臓摘出術
- 肝葉切除術
- 乳腺腫瘍摘出術
- 肛門周囲腫瘍切除術
- 体表腫瘍切除術
- 胃捻転整復術
- 胃切開術(胃内異物摘出)
- 小腸切開術
- 腸切除・吻合術
- 十二指腸胆嚢吻合術
- 皮膚形成術
眼科外科
- 強膜内シリコン義眼挿入術
- 水晶体超音波乳化吸引術
- 眼球摘出術
- 結膜フラップ術
- 眼瞼縫縮術
- チェリーアイ整復術
- 前眼房シャント設置術
- 眼瞼内反整復術
- 眼瞼腫瘤切除術
- 角膜腫瘤切除術
- 角膜格子状切開術
- 異所性睫毛レーザー凝固術
整形外科
- 橈尺骨骨折整復術
- 骨盤骨骨折整復術
- 大腿骨骨折整復術
- 脛骨骨折整復術
- 下顎骨骨折整復術
- 大腿骨骨頭切除術
- 前十字靭帯断裂整復術
- (関節外法・TPLO)
- 膝蓋骨脱臼整復術
- 股関節脱臼整復術
- 仙腸関節脱臼整復術
- 断脚
口腔外科
- 口腔内腫瘍摘出術
- 下顎切除術
- 抜歯
- スケーリング(歯石除去)
- 口腔鼻腔瘻術
- 口唇形成術
神経外科
- 椎間板ヘルニア(片側椎弓切除術)
その他
- 内視鏡(食道・胃内異物摘出術)
- 気管切開術
- 鎖肛整復術
- 直腸脱整復術
- 軟口蓋切除術
- 外鼻孔形成術
- 唾液腺嚢胞切除術
- 口腔鼻腔瘻術
- ペニス脱整復術
- 声帯切除術
- 耳道切開術
- 包皮形成術
- 鼻涙管洗浄
- 過長歯切削術(エキゾチック)
内視鏡検査
検査目的
肉眼的検査所見や病理組織学的検査所見から総合判断して病気の予後や治療方針を決めます。しかし、生検で採取できる組織は粘膜表面までが限界であり、胃壁の深い部位での病変の早期発見は困難なことがあります。内視鏡検査は、開腹しないで消化管の中を調べられる便利な検査方法ですが、すべての症例を確実に診断できませんので、場合によっては試験的開腹手術が必要となることもあります。また、内視鏡は画像診断と同時に異物除去(犬や猫は色々な物をよく飲み込みます)も行える便利な治療道具でもあります。
上部消化管内視鏡検査
人でいう胃カメラです。口腔内、食道、胃、十二指腸の異常を見るために用いられます。
人では麻酔は必要ありませんが、動物は我慢ができませんので全身麻酔下で検査を実施します。麻酔前には十分な身体検査と血液検査、レントゲン検査を実施して麻酔リスクを評価してから実施します。内視鏡による肉眼的観察のほか異常所見があった場合には、組織を一部切除して病理組織検査を実施します。
胃内に異物が発見されて内視鏡による摘出が困難である(量が多い、鋭利である、糸状で腸内で絡んでいるなど)と判断した場合は、速やかに開腹手術に変更します。
検査前の準備
胃内を空にするため、12時間以上の絶食、3時間前から絶水
下部内視鏡検査
慢性的な下痢、血便、腹痛やしぶりなどの症状から大腸の病気が疑われる場合、原因を確認するために実施します。
主に癌やポリープ、炎症性疾患の発見を目的としています。多くの場合確定診断をするために、組織を一部採取して病変が良性か悪性かの鑑別を含めた組織診断を実施します。
検査前の準備「大腸の中をきれいにする」ための処置が必要です。前日より入院をして24時間以上の絶食と麻酔下による浣腸を前日と当日の2回実施します。また、血液検査、レントゲン検査など十分な術前検査を実施して麻酔リスクを評価します。
内視鏡検査は体に傷をつけることなく消化管の中を眼で確認し、異常が認められるところは一部組織を採取し検査することができます。ただし、人と違い全身麻酔が必要ですので、内視鏡検査が必要になった場合は十分にご相談しながら検査を実施します。