統合医療(鍼灸治療・漢方)
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統合医療とは?
「統合医療」という言葉についてご存知でしょうか?統合医療とは、西洋医学を基にした一般的な医療とその他の代替医療を併用した医療のことをいいます。その他の代替医療には栄養療法、サプリメントなどに加えて鍼灸、漢方、気功に代表される東洋医学があります。人医療の分野ではアメリカが統合医療の先進であり、アメリカでは約半数の医師が代替医療を利用しているというデータもあります。日本でも2007年からすべての医学部で漢方の授業が行われるようになっており、東洋医学は医療の選択肢のひとつといえます。しかしながらペット医療の分野においてはまだまだ馴染みが薄いと感じます。西洋医学と東洋医学のどちらにも利点があり、2つを融合した治療、すなわち統合医療が行われるのがペット医療の分野においても理想と考えられます。当院ではこの統合医療を受けることができます。
当院での統合医療による治療例
ウサギ3歳
症状:重度の斜頸、ローリング(立ち上がれずに横に転がり続ける症状)、眼振、食欲不振
斜頸(首が傾く症状)
診断:エンセファリトゾーン症
エンセファリトゾーンという寄生虫により、中枢神経系に異常が起こり突然死する場合もあります。
治療経過:他院にて治療中でしたが、もうどうすることもできないと言われたとのことで当院に受診されました。
<西洋医学のみでの治療6日目>
寝たきりで、ローリングが激しい状態です。自力では食べられず強制給餌で命をつないでいます。
<鍼灸治療前>
給餌や駆虫薬など標準治療を行い、自力で歩けるようになりました。
斜頸はまだ残っていますが、自力での食餌はできるようになりました。
<鍼灸治療後>
数週間経ち、変化が見られないことから鍼灸治療をご提案しました。すると、1回目の治療で斜頸の改善がみられ、食欲はさらに増えました。数回治療後には動画のように、ほとんど斜頸は改善し走り回ることができるようになりました。
治療後は病気を発症する前よりも食欲があり牧草もモリモリ食べてくれています。なお、その後当院にて避妊手術も無事に終わり元気に過ごしています。
その他、「椎間板ヘルニアで歩けなかったが治療して帰宅後すぐに歩けるようになった」「鍼灸治療後は元気や食欲が増す」「軟膏やかゆみ止めの内服で効果がなかった皮膚炎の症状が軽減している」などの感想を頂いております。
西洋医学と東洋医学の違いについて
西洋医学は異常のある臓器や原因となるウイルスなどを特定し、薬や手術などで直接治療して症状を抑えることが目的となっているため、感染症や手術の必要な病気には非常に有効な治療を行うことができます。しかし、症状が原因不明の場合は治療困難となってしまいます。東洋医学は本来体がもっている自然治癒力を高めることによって病気を治す医学のため、患部を部分的に診るのではなく、全身のバランスの崩れを見つけ出すことに長けています。そのため具体的な病気を発見できないけれど体の不調があるといった場合にも対処しやすいのが特徴です。
当院で受けられる東洋医学
東洋医学の基本概念に「気」があります。「気」とは生命エネルギーを表し、生命活動を維持する源であると捉えられています。また、「気」は健康や病気に深く関連していて、ストレスや感情の変化で「気が沈む」「気が病む」などの状態になると「病気」を引き起こします。東洋医学では、この「気」をいかにコントロールするかが重要で、気の流れを調え、活性化することによって治療を行います。
①鍼
ツボ(経穴)は気の出入り口であり、体の不調が初期に現れる場所です。コリや痛みなどの症状として反映される場所がツボです。気には自然治癒力を高める「生気」と体を病気にさせる「邪気」がありますが、気の出入り口であるツボから邪気が入ることで病気となります。鍼灸治療によりツボを刺激することで、気と血(血液や栄養分全体のこと)の流れをよくし、邪気を体の外へ出すのを手伝い、ツボから正気を補うことで自然治癒力を高めて病気を改善します。治療に使う鍼は人の髪の毛ほどの太さです。刺している最中もリラックスしてくれている子が大半で中には寝てしまう子もいるほどです。
②お灸
モグサを燃焼させることによる温熱刺激とモグサの薬効を利用した治療法です。研究により温熱刺激はポリモーダル受容器と呼ばれる感覚統合装置を介することが分かっており、自律神経系と関連があると考えられています。免疫力向上、自律神経の正常化、抗アレルギー作用、造血作用、強心作用、止血作用、消炎作用などの効果があります。
治療中リラックスしてくれています
良いお顔しています♪
<鍼灸治療の適応症例>
椎間板ヘルニア
脊椎症
関節炎
てんかん発作
術後のリハビリ
腫瘍の疼痛緩和
胃腸炎・下痢
歩行障害
馬尾症候群
顔面神経麻痺
前庭疾患
認知障害
アトピー性皮膚炎
老犬・老猫の不定愁訴など
③漢方薬
ペットの体質や症状に合わせて漢方を処方します。顆粒や錠剤、シロップなどの種類があり、犬、猫、うさぎでもだいたい飲めます。漢方薬は生薬からできているため、副作用がないと考える人も多いのですが、漢方薬にもわずかですが副作用があります。当院では専門の獣医師が細心の注意を払って処方します。
<漢方薬治療例>
柴犬、12歳
交通事故による後肢不全麻痺により数年間飼い主様不在時はオムツを付けています。皮膚の炎症がひどくなり、皮も剥け浸出液が出るような状態でした。外用薬や内服による治療、日々の洗浄も実施しましたが、改善乏しい状態で悪化をたどるばかりでした。
漢方の内服と漢方成分の入った外用薬でスプレーしたところ2週間で皮膚の炎症がかなり改善しました。
<漢方の適応症例>
椎間板ヘルニア
脊椎症
関節炎
てんかん発作
術後の体力低下
腫瘍
胃腸炎・下痢
外耳炎
心臓病
胆泥症
気管支炎
食欲不振
尿石症
歩行障害
馬尾症候群
顔面神経麻痺
前庭疾患
認知障害
アトピー性皮膚炎
老犬・老猫の不定愁訴
鼻炎
腎臓病
胆管疾患
ドライアイ
膀胱炎
尿失禁など
認定医取得
比較統合医療学会では、高度な獣医鍼灸に関する専門知識および実践能力を備えた臨床鍼灸獣医師を育成することを目的として認定医制度が設けられています。治療は空獣医師が担当します。空獣医師は比較統合医療学会の獣医鍼灸認定医コースを修了し、認定医として既に多くの治療を行っています。
治療の流れ
比較統合医療学会では、高度な獣医鍼灸に関する専門知識および実践能力を備えた臨床鍼灸獣医師を育成することを目的として認定医制度が設けられています。治療は空獣医師が担当します。空獣医師は比較統合医療学会の獣医鍼灸認定医コースを修了し、認定医として既に多くの治療を行っています。
Step1 問診
カウンセリング(問診)に力を入れています。
東洋医学では患者の「証(しょう)」に合わせて治療を行います。証とは簡単にいうと西洋医学でいう「診断」を意味します。体質、体力、症状の現れ方などをもとに証を決めるため問診での飼い主様からの情報が重要となります。
Step2 触診
舌診・脈診なども含み、体の状態を確認していきます。
Step3 検査
必要に応じて行う場合があります。
Step4 鍼灸治療
症状・状態によって鍼灸治療を行います。症状や性格によってはどちらか一方のみとなる場合もあります。
<治療日数の目安>
症状によりますが、数日から2週間に1回を目安に行います。
体調が安定し、予防目的で行う場合は1~2か月に1回程度がよいでしょう。
料金
東洋医学初診カウンセリング3,000円(鍼灸治療の初診時のみ)
1回7,000円
※診察料は含まれません。その他の検査や処置などがある場合は別途必要/となります。